ビル「もう一人の俺の思い通りにはならない。絶対に人を殺さないでここを出る!」
俺は手に入れた二重人格の治療薬を飲み、刑務所の外へ逃げた。
エレベーターを上がり、地上に出る。
久しぶりに見た日の光は、とても眩しかった。
その時、俺の中に声が響いた。
ビル?『刑務所の外へ出られたようだな、もう一人の俺。ありがとよ。
これでまた人を殺し続けることができる…』
ビル「そんなことはさせねえ。お前はここで終わりだ。
もうすぐ新薬の効果が表れる」
ビル?『新薬だと?貴様、まさかあの赤い薬を飲んだのか!
くそっ、やけに眠いと思ったらそういうことかよ!」
ビル「もうお前の好き勝手にはさせない。失せろ」
ビル?『ふざけるな!俺はもっと人を殺すんだ…!
殺す、殺す、殺す…』
それ以来、その声が二度と聞こえることはなかった。
だが、被害者や遺族にとって、俺が殺したという事実は変わらない。
数日後、俺は警察に出頭した。
当然逮捕されたが、俺が二重人格であり、犯行は別人格が行ったこと、
出頭していることを理由に、死刑は免れることになった。
再び戻った獄中で、俺は罪をしっかり償い、いつか正面の扉から堂々と出ようと決意を固めた。
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最終更新日:2023/06/14